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オムニゴッドのものづくり、ものがたり




戦後間もない時代から、メリヤス産地として発展した津村メリヤス。 
旧式の編み機を操り上質な生地をつくりあげる職人に迫る! 


ニット生地の産地、和歌山県和歌山市。
数多くのブランドがこの地で生地をつくり世界中のファンを獲得してきた。
その中の一つ“津村メリヤス”は1950年代創業。稀少な編み機でつくられるスウェット・Tシャツ生地は世界に誇る高いクオリティーを持つ。
ここ“津村メリヤス”でオムニゴッドのチューブ生地はつくられている。

60年代製の旧式シンカー編み機で8番手の太糸を低速で編むことにより、しっかりとした重みのある度詰のチューブ生地が出来上がる。
伝統の技術を継承している一人のクラフトマンが編み上げるからこそ独特の粗野感を持ち、豊かな風合いを引き出せるのだ。 
 


トレーナーの基となるチーズ型に巻かれた8番手の糸。




編み機を囲むように放射状にはられた糸は圧巻だ。糸のテンションが調整され編み機に吸い込まれていく。
14ゲージの針がずらりと並ぶ。職人が1週間がかりで約900本の針に糸をかけ編む準備をする。




重さのある生地は低速の回転で1日に50mほどゆっくりと編まれていく。




編まれた生地をロール状に巻き取っていく仕組み。縦型のベルトを回すモーターを木の床下に備えたローテクなマシーン。巻き取った生地を適量でカットしていく職人。



60年代製の旧式シンカーが休みなく動く、綿の埃とオイルの匂いが充満する“津村メリヤス”は、決してハイテクとは言えない職人気質の工場だ。
そんな限られた職人がつくるからこそ愛着の湧くチューブ生地が出来上がるのだと感じる。繰り返すようだが、この工場で生地を編む職人は一人だけ。「技術を継承できる次世代の候補が今はいない」と津村氏は言う。
本物のメイドインジャパン製品が綱渡りの状態で成り立っていることを今回目の当たりにした。